AIを有効に活用するために必要なことは、AIに何をして欲しいのか利用する立場によって大きく変わります。
ここではAI活用の例と課題を紹介します。
ビジネス視点
ビジネスツールとしてのAI
知識そのものを作るデータマイニング技術、情報を加工するBI技術、情報を分析し知ることのできるAI技術、そして、これらを組み合わせて付加価値を生み出すビジネスサイドに提供するサービス技術を総合してAIであると捉えることもできます。
問題の認識
企業には、どういった事業内容が求められるのかなど、具体的な問題提起をAIが活用される前提で構築し直す必要があります。
領域横断
さまざまな専門分野でのAIの適用とその最適化戦略がAIの成熟と共に必要となります。データサイエンティストが適切かつ効率的に行動できるように、AIを活用した解析ニーズと、そのために必要となる作業を明確する必要があります。
ビジネスモデルへの影響
ビジネス的にどのように貢献するかを知ることです。市場調査やメーカーとの関係を調べて、AIがどのような影響を顧客の生活に与えているのか、またどのような課題を解決するのかを考えます。最終的には製品、市場、ビジネスをデザインし、その企画に合わせて実際のシステムを実装する必要があります。
AI開発組織の構築
分析する人材の確保も重要であり、いかに人材を育てていくかということもAI活用のプロセスに入ることになります。
BIツール
膨大なデータを素早く集め、仮説や解析の工程を自動化することが挙げられます。そのためには、データ管理におけるシステムによる高速なデータ検索や、分析者が使いやすい操作性や柔軟性を兼ね備えたBIツールが求められます。特に、世界トップレベルのBIツールベンダは日本企業からの注文が多く。その大きな理由の1つが、日本特有のビジネスの課題解決に向け、細やかな対応力を備えていることが挙げられます。
農業など社会活動に活用されるAI
農作物の最適収穫時期を予測するなど、植物や環境について精度良く予測するためには、動植物への応用の知見が活用でき、農業経済、社会経済、その他の分野での研究利用が期待される。また、雑草の除去や収穫等、植物・生物群のライフサイクルの管理においても応用が期待されます。
データサイエンティスト視点
データ収集と統計
AIから情報を集め、データマイニングや機械学習により精度を上げ、統計を用いて課題解決に生かすことです。そのため、AIを活用するシステムの設計・開発・運用を担う技術者が必要とされます。
一般的な手法の理解
一般的に認知されている分析手法の基盤、構造、能力や原則を明確にし、定義する必要があります。
モデル
機械学習における「チューニング」です。機械学習では試行錯誤しながら学習をしていくわけですが、最初にチューニングを行い、その後、チューニングしながら自動学習をしていくことで精度を上げていきます。しかしながら、やみくもにチューニングを行うと、かえって学習が遅れてしまうことにもなりかねません。
機械学習を使いこなす
機械学習の機能を使いこなせるかという点も大きな影響があります。機械学習の知識を習得すれば、より適切な判断ができるようになりますし、難しい課題に関しても対策を立てて、より精度の高い判断をできるようになるでしょう。このことがAIの効果的な活用につながっていきます。
多様化されるAIのニーズ
多様な主体と多様なデータから正しい予測モデルを構築することである。実際、データサイエンティストが日々行っている分析支援には、機械学習モデル構築やモデル学習、予測評価など多岐にわたり、作業内容もシンプルではなく、システム構築や人員不足が懸念されています。
開発者視点
AIの活用フロー
正しく設計することです。そして、適切なタイミングで入力されたデータを活用する必要があります。様々な想定に対しシナリオ作成を重ね、適切に学習させるといった工夫がAI導入の成功の鍵となります。
開発ツールとしてのAI
AIのライブラリを、迅速に 探し開発や検証を行うことも重要です。世界中で開発されるAIライブラリの豊富な種類の中から、適切なライブラリを選択し活用することも重要となります。
利用者視点
ヒューマンインザループ
人が使うことを前提に作られるのであれば、AIに求められることは、人が実際にどのように使うのかという「現実」を整理する必要があります。
ユーザエクスペリエンスの変革
ユーザーが求めるものは、意思決定を完全にオートメーション化することではなく、より早く、容易に入手できるデータと情報に基づき、よりよい意思決定を下せるように支援することです。つまり、ユーザーが求める情報は、コンテンツ、コミュニケーション、およびビジネスのデザインにおいてAIをより活用するためにどのように構築できるかという点にあります。
以上が一例ではありますが、AIと関わる人の立場から考えられるAIの利用方法になります。